[PR]馳凡g\
g選
Now☆Aeon的デバイスとしての魔術本
ハロー! 全国10億人の魔術ファン(笑)の皆さん、立ち読みしてますか?
私はしてる。けど、内容よりむしろゲシュタルトを嬉しがっている感じなので、正確には「立ち読み」じゃなくて「立ち見」でしょうか。本屋は良いです。色とりどりの、いろんな本に会えるから。カラーリテラシー低めな私と言えど、これは楽しい。ただし、魔術関係のコーナーに立ち寄らなければの話。まあ、ケルアックの『禅ヒッピー』が「精神世界」に分類されていたなど、なかなかにチャンス・オペレーションな脱力シーンに主演してしまう機会もないではないんで、結論としてはそこそこ面白いのですが。
日本で出版されている魔術本は、目下のところ概ねイメージ的に<魔術>にまつわる負の要素のみをピックアップして表現に落としてました。みたいな顔つきをしている。無意味に暗ぁ〜く重苦しく淀んでいる、もしくは少年少女らしいと言うより私としては若年性二度子供症候群を連想してしまう風情で夢見がちに呆けている。アンティーク調に仕上げられているものは、審美的趣味の良し悪しは別として、まあ、わからんでもないです。それ以外はどうも・・・ねぇ。もし仮に、仮にですよ。魔術に興味持つような連中が魅力を感じるツボなんざ「一般的に」考えてこんなモンよ。てな調子でやっているとしたら、ヒトを喰ったというか、まったくもってナメた話だ。マーケティング上は「ターゲット層」なんて扱いをするけど、その層を構成しているのは、まぎれもない<個人>なのだから。このへん無自覚な方は、人道的に反省もしくは自らのセンスのなさを少しは悔やんだ方が世のためだろう。
てな訳で表題の件について、例えばこんな在り方、ありかな? ないかな? と、思いつくままに。
★この本は将来、もしかしたら古典として生き残り得るかもしれない・・・。まずは、そんなセンチメントを捨てること。
潔く捨てる。結果的に負の要素のみが増幅強調された最悪の折衷案みたいな中途半端なものができないように。ここは“どんな本?”以前の問題。或いは万が一にも、何かの弾みや巡り合わせで、今自分の関わっている本のコンテンツが、将来も絶対に古典にはなり得ない、と言い切ることは難しい。しかし、この場合でも、古典になり得るのはあくまでコンテンツであり、デバイスとしての本そのものは、いつ・いかなる時も消耗品でしかあり得ないはずだ。
★ライマ・ゲシュタルト
仮にも<実践>の参考にしようなんて場合は殊にそうだが、物理的にもイメージ的にも軽いライマ(ライトマジュツボン)であること。つまり、書架に安置したところでサッパリ立派な感じがしない。むしろケーハクで馬鹿っぽいモノこそが望ましい。安置にアンチ。「書を携え街へ出よう」か何か言ってみる。
★キュート&スタイリッシュ
書を携え街へ出るには軽量&コンパクトな形態が望ましい。などは言うまでもなく、思わず連れ歩きたくなる、連れ歩いて嬉しい、または連れ歩かないにしてもキミがいてくれるだけで僕は幸せ! という可愛らしさが欲しい。そして、自分が好きな本は、できれば、そこそこお洒落であってほしい。
タテ位置タテ開きだけが本の外見でもないだろう。文字を横組みにしても、なぜか外見の変わらないのが魔術本なのである。例えば、ヨコ位置ヨコ開き、または小さめの版型を少しカットした正方形に近いようなのはどうだろう? スミ以外の文字色だって検討されていい。
★バリュー・プライス
これは魔術本に限った話ではないが、発行部数のみが圧倒的にコストダウンの妨げになっているとは思えない。例えば、頑丈で強いだけが良い表紙でもないだろうし、薄い表紙&軽い中身ですべての面がフラットな体裁の、洋書を思わせる廉価本は既にある。いっそのことどよ〜んぼよ〜んとした装丁デザインを省いて、ミニマル・モダンな感じで迫ってみるのもありかも知れない。
★フラジャイル
<実践の手引き>としての機能に主眼を置いた本の場合、やたらに頑丈過ぎない、と言うよりわざと弱っちい造本はどうだろう? 内容をマスターするのが先が、本が壊れて使いものにならなくなるのが先か・・・。そこに立ち現れるのは、本と読者の新しい緊張関係だ。水に溶ける本、なんてのも技術的にはなんなく可能だろう。水栓トイレにも流せますとかね。
急に真面目な話みたいで恐縮だが、作り手の編集と読者のカスタマイズが絶妙に噛み合った場合の検索スピードを含め、繰り返し参照する場合の利便性という、本が他のメディアに対して持っている圧倒的なアドバンテージを最大限に活かそうと思えば、頑強な表紙をはじめ耐久性を優先したつくりになるのは、自然の成り行きにも思える。ただ、自分としては、本当に他の要素は考慮されているのか? と突っ込みを入れたいだけだ。
★インタラクション
使用前使用後のインタラクションを考慮し、web上にFAQ・トラブルシューティング・関連LINK集(これなんか紙に刷られたURLより断然使い勝手がいいハズ)・読者コミュニティなどを整備する。もちろん、これは、その本の宣伝にもなるハズだ。
はあ。スットンキョなアンタは妙なことを言うけれど。そうは言っても、本ってやっぱりスローライフ的に何だか素敵。そんなふうに思う方は考えてもみて欲しい。あなたが感じる「素敵」は、本それ自体の機能ではなく、本に対するあなたの思い込みにほかならない。でしょ?
(2004.5.21)